2010-02-05 03:17:37
顔合わせ
朝青龍が引退した。横綱が引退したというのにこんなに感慨がないのも珍しい。なんかどうでもいいって感じ。相撲も先場所はまったく観なかった。すっかり興味を失いつつある。

今日は『寒い国から来た魔女』に出演する役者達との顔合わせがあった。渋谷の居酒屋で楽しく飲んだ。男子をじっくりチェックしたが見た目はそこそこいけているという結論に至った。身体がしぼれているだけでもありがたい。
それにしてもいつもそうなのだが、顔合わせのときについホンの内容をペラペラしゃべっちまう。今日は前に座っていた菅野智志の何気ない質問につい乗せられてしまった。私がちらりとホンのことを喋り始めると、役者達がどどっと私に集中してすっごい怖かった。そりゃそうだよなあ。役者にとって自分がどんな役であるかは最も興味のあるところだ。
でもまあプロローグ以外はできていないので、多くはしゃべりようもなかったのだが。一場以降は本当に何もわからないのだ。役の重い軽いも、台詞の多い少ないも。私は箱書きをやらずに書く方なので、ストーリーは「書いてみるまでわからない」なのである。すべては神様次第というわけだ。主演以外は誰を重い役にしようなどということもいっさい考えずに書き始める。考えても書いているうちに変わる可能性はおおいにある。
キャラクター創りには自信がある。願わくば、自分の役を愛してほしい。たとえ期待したほど大きな役でなくとも。やりがいのある役は必ず用意する。約束する。
今日、言おうかどうか迷ったのだが、主演は三浦研である。

女子もとりあえずあっさりチェックしたが、やっぱり怖そうだ。稽古が始まると「羽生さんは男子を依怙贔屓する!」とEricoを筆頭に怒りそうな人達だ。前にも書いたようにうちはなぜが歴代女子が強くて、ぴーぴーよく怒る。「男子を依怙贔屓」はこれまでさんざん言われてきたのでもう慣れたけど、ほんとにうっさいのである。
でも結局頼りなるのは女達だ。男は腰抜けばかりだから演劇という勝負の場においては気概のある女の方がよほど役に立つ。
「私達女優は雑草だ。羽生さんに踏まれても踏まれても立ち上がる」
昔誰かが言っていたけど、私は雄々しく立ち上がる雑草が好きだよ。草に咲く花は凛々しくて美しい。期待している。
と、まずはご機嫌取ってみた。くわばら、くわばら。

さあ、そろそろ本格的に一場を書き始めよう。今日みんなに会って気合いも乗ってきた。やっぱり「会う」って大事ね。なんかちょっと見えてきた感じ。
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2010-02-04 01:02:25
クレーマー
ホームページが新しくなった。これでやっと落ち着いた。私としてはリンククラブと手を切れただけでもありがたい。しかし、1月で退会したのに3月まで会費を払わなくてはいけないらしい。事務手続きが3月までかかるんだって。2ヶ月もかかる事務手続きって何よ。
仕方ないので3月までは払うとしても、告知もなく他人のカードから勝手にお金を引き落とすような会社だから、今後のことが心配でニコスに相談の電話をかける。3月以降のカード番号を変更しようと思ったのである。しかしインターネット関係は番号を変更しても無駄なんだと。理由は聞いたけどよくわからなかった。「当社としては請求があれば従うほかない」とのこと。
「問題が起こってからじゃないと動けないということか?」
「そのとおり」
コールセンターのオペレーターに文句を言っても無駄だとは思いつつ、
「社会的に問題のある会社からの請求になんでもかんでも従うのはおかしいのではないか」
クレーマーになった気がした。つーか、正真正銘のクレーマーである。
「調べてみますのでしばらくお待ちください」
電話から流れる音楽を聴きながら、「うっせー客が引き下がらないんですけどどうしましょ?」とSVに相談しているオペレーターの姿が目に浮かんだ。てっきりSVが出てくるのだろうと思っていたら、
「お待たせしました。リンククラブに対する苦情については承知しているとのことでした。お客様相談室の電話番号を申し上げます」
おおっ、ニコス、良心的じゃん。「ありがとう」と愛想良くお礼を言って電話を切った。ニコスの偉い人が対応してくれるのね。
さっそく教えてもらった電話番号をプッシュ。
「はい。リンククラブお客様相談室です」
はい? リンククラブ? 一瞬あせる。
「そちらニコスさんではないのですか?」
準備ができていなかったので、つい丁寧な良い声で訊いてしまった。シマッタと思ったがもう遅い。
「こちらリンククラブですが」
くっそー、ニコスにしてやられた。
リンククラブとは前々から喧嘩したくてHPに記載されていた電話番号に何度電話したかわからない。しかし通じなかった。これは千載一遇の大チャンスである。
しかしなにせ台詞を準備していなかった。ウォームアップも完全に足りない。軽く稽古してから電話したかった。最初に良い声も出してしまった。喧嘩相手に敬語使ったらその時点で負けである。
結局「ちゃんと退会できているか確認するために電話した。おたく信用できないから」と苦しい台詞を吐き、悔しいことに「できている」と言われたので、「3月以降会費を請求したら承知せんけんねっ」と言ってやるのが精一杯だった。
電話を切ったあと本当に情けなかった。まだまだ本物のクレーマーになるには経験不足だ。

それにしても怒りはニコスへと飛ぶ。そして感心もする。クレームに対する作戦はちゃんとできているのね。相手はプロだ。所詮かなわない。
しょうもないことにことごとく文句をつける人にはなりたくないが、それでも言わなければならないことはきっちり言える人になりたい。なかなかなれないね。
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2010-01-29 01:35:00
一から勉強
劇団HPがリニューアルする。楽しみだわ。
で、それに先立ち今年から羽生ノートがなんとなーく変わったことにお気づきだろうか。ブログというやつになったらしい。これまでと何が違うのか私自身はあんまりよくわかっておらんのだが、とにかく文字に色が付けられるだけでもたいしたもんである。カレンダーなんかも表示されて、書き込んだ日が一目瞭然である。しかしこれがけっこうプレッシャーで、「ほらっ、もう5日も書いてないぞ。はよ書かんかい!」と、お尻を叩かれる。
でもここのデザインもまた変わるそうだ。広告の出るのがEricoの不興を買ったのである。うっせーやつだ。どうやら書いた内容に即した広告が出るらしい。そう言えばコアリズムのことを書いたときはフィットネスウエアやコアリズムのDVDの広告がすかさず載った。すごいね。いったい誰が見張っているのだろう。
とにかく今の世の中HPを甘く見てはいけない。私も知人から芝居のDMが届くとHPでチェックするもの。ステキなHPができるといいな。

芝居のDMといえば、昨年博品館劇場で上演した『メグさんとサムライ』に出演した清水正隆から招待状が届いた。便箋につづられた丁寧な手紙が同封されてあって、一斉メールで案内を済ませてしまうことの多い昨今、感心なやつじゃと嬉しかった。もちろんありがたく招待を受けた。
一年近く研究所で一から芝居を勉強したそうである。昨年の公演のあと、「自分の不出来に嫌気がさし、はずかしく思った」のが動機であるようだ。不出来だったかどうかは私にはわからないが、そのせいで芝居をやめることにならなくて良かった。あれ以来会っていなかったが、続けていればまた一緒に仕事ができる機会もないわけではない。一度の仕事で別れるのはいつも悲しい。それが手をかけた若い役者ならなおさらである。そのあたりの演出の気持ちはなかなか若い役者には届かない。叱られたことばかりが心に残るからだろう。

不出来だったと言うが、若い役者が最初から上手い芝居のできるわけがない。芝居ができなくても、一生懸命芝居に取り組んでいる若い役者が私は好きである。だから稽古場や劇場で正隆を見ているのは楽しかった。もう一度稽古をつける機会がほしいと願うのは、打ち上げで若い役者に「おまえには才能がない」などとえらそうな口をきくベテラン役者ではなく、まだ芝居を始めたばかりの役者である。
それにしても私の芝居に出た後「不出来に嫌気がさして」研究所に入った役者は正隆で二人目である。なんで私のところで「一から勉強」しようと思わず、研究所で一から勉強しちゃうのだろう。まったく納得できん。私が指導者として信頼おけないのか、もしくは研究所で上手い役者に変身して、恨み骨髄の私をギャフンと言わせてやりたい魂胆なのかもしれない。
ギャフンと言いたい。上手くなった役者を見るのは楽しいものである。

正隆、楽しみにしている。私にギャフンと言わせてくれ。そしていつかまた一緒にやろう。
健闘を祈る。
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2010-01-22 00:05:00
ヨガとコアリズム追加
ミケちゃん様の影響を受けてヨガのクラスに初参加し、犬になったり椅子になったり真珠貝になったりしてみた。ヨガのポーズ名って統一感がなくて不思議だ。
なんだか続けられそうな気がする。一週間に一回くらい深い呼吸で精神を統一するのもいいかもしれない。なにせ走っても暴れてもちっとも痩せない。この一年むしろ体重は増えた。ここはガラリと違う手段を取ってみよう。そういえば体重が落ちた時期とピラティスをやっていた時期が重なる。呼吸ってもしかしたら甘くみてはいけないのかも。

でもってコアリズムのDVDも買った。私とあろうものが夜中のテレビショッピングにやられてしまうとは…ちょびっと恥ずかしい。Ericoと麻理枝がブートキャンプを始めたときは「そんなもん続くわけないじゃん」とさんざんアホ呼ばわりしたが、ついに自分もアホの仲間入りをしてしまった。
本日早速やってみる。年末にテレビと一緒にDVDデッキも新しくしたが使うのは初めてである。こんなことで初めて使うとは思わなかった。
気分が大事なのでちゃんとスポーツシューズを履き、パッケージに載っていた美人先生の真似をして大昔に着ていたセパレートタイプのフィットネスウェアを身につける。腹の肉がボヨヨヨ~ンと飛び出し仰天するが誰も見ていないので平気である。テレビの横に全身が映る鏡を設置した。
おおっ、いきなり振って振って振りまくりだ。ウォームアップとストレッチから始まると思っていたので意表を突かれた。これは気を付けないと腰を痛める。次からはちゃんとストレッチをやってからスイッチを押そう。
部屋の中でひとり大騒ぎしているマヌケさは着ているウェアがマヌケなだけにいっそう拍車がかかる。でも負けない。引いたらオシマイである。
2セットやってからジムへ行き、ずんばとヨガとマシーントレをやってから帰宅した。肉体オタクの批判はあまんじて受ける。ただただこの醜い腹をなんとかしたいばかりである。着たい洋服を着られないのは嫌だし、たるんだ腹は気持ちもたるむ。しゃきっと生きたいじゃん。

さて、ホンでも書くか。
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2010-01-21 14:28:00
悪徳の人
正義の人が嫌いだ。燃えるゴミの袋に煎餅のビニール袋が1枚や2枚混ざっていたってそれがなんだって言うのだ。そんなことでキーキーなっている姿を見せられる方がゴミの分別をしない人より私にはよほど迷惑である。
この頃は正義の人がめっきり増えた。正義の人の「意見」で、主人公のお祖父さんが愛煙家だったせいで児童書が出版差し止めになったりする。批判されて一番気の毒だったのは出版社ではなく、お祖父さんを侮辱された孫二人である。江戸時代に連れて行ってくれる発明家のお祖父さんは孫達には誇りだっただろうに、パイプをくわえているというたったそれだけのせいで愛するお祖父ちゃんは「悪徳の人」になってしまった。
新聞の投書欄には「サザエさんがスーパーで買い物をする時にエコバッグを使っていなかったので使うようお勧めしたい」というご意見が載っていた。正しい意見は物語の世界まで浸食しつつある。僭越ながら私自身のことを言えば、小学生の教材誌に書いた『ヘンゼルとグレーテル』の劇の冒頭が、異議を唱える間もなく変更された。グリムの原作ではヘンゼルとグレーテルは親から森に捨てられるのだが、これが森へ木の実拾いに行って迷子になったことになっていた。正義の人に「意見」される前に出版社の方が先手を打ったわけだ。

物語から悪徳が消えたらずいぶんつまらないものになるだろう。ギャングのボスには葉巻を吸ってほしいし、殺し屋には娼婦を買ってもらいたいし、シンデレラはママハハからガンガンいじめられてほしい。サザエさんがエコの市民運動家になってくれればそれはそれでとっても面白いが、ドラマの主人公達がコンビニで買い物をするたびにいちいちエコバッグを取り出さなければならないとしたらかなりうっとうしいハナシである。
私の読書の原体験はグリムとアンデルセンである。継母が継子をいじめる話がわんさかあるが、今そのせいで私の人間性が歪んだとは思わない。少しは歪んでいるが、それは読書とは関係ない。継母に対する偏見など微塵もない。素晴らしい継母の登場する本もたくさん読んできたからだ。
偏見は無知が生む。正しい本と正しくない本を選別する前に、子供達に物語の世界の面白さを教えて読書の習慣をつけることの方がずっと大事だと思う。ゴミの分別をできない人は悪徳の人かもしれないが、それを大仰に批判する人も同じくらい悪徳の人であることを、読書が教えてくれるだろう。

どうも私は偽善者を憎む傾向にあるな。正しい意見での批判を、自分が受けるのも嫌だし、人が受けているのを見るのも嫌だ。「あんたどれだけ立派な人よっ」と言いたくなる。
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